先に結論を書く。カナダの政策金利は2.25%で、日本の1.25%程度より1ポイント高い。カナダ銀行(BoC)は2026年9月2日、翌日物金利の誘導目標を2.25%で据え置いた。次の判断は10月28日(水)の東部時間9時45分で、日本時間では同じ日の22時45分になる。この回は年4回の金融政策報告(MPR)が同時に公表される回でもある。

結論:カナダの金利は2.25%で、円の1.25%より1ポイント高い
9月に2つの中央銀行が決めた数字を並べる。BoCは2.25%で据え置き、日銀は9月18日に0.25%引き上げて1.25%程度にした。差は1ポイントで、カナダドルのほうが高い。
| 中央銀行 | 決定日 | 決定 | 決定後の政策金利 |
|---|---|---|---|
| カナダ銀行(BoC) | 2026年9月2日 | 据え置き | 2.25%(銀行レート2.5%・預金金利2.20%) |
| 日本銀行 | 2026年9月18日 | 0.25%引き上げ | 1.25%程度 |
BoCの政策金利の推移表によると、2025年9月に2.5%、10月に2.25%へ引き下げてから、1年近く同じ水準が続いている。日銀が上げてきたぶん、円との差は縮んできた。カナダドル円を買えば、金利の高い通貨を持つ形になるが、業者のスワップポイントは金利差そのものではない。差が1ポイントまで縮んだことを、先に数字で知っておくのが出発点になる。
2026年の判断日は8回、うち4回は報告書つき
BoCは毎年、翌年の発表日を前の年の夏に公表している。2025年8月に出た2026年の予定を写すと、判断日は8回で、すべて水曜日の東部時間9時45分だ。
| 判断日(2026年) | 金融政策報告(MPR) |
|---|---|
| 1月28日(水) | あり |
| 3月18日(水) | ― |
| 4月29日(水) | あり |
| 6月10日(水) | ― |
| 7月15日(水) | あり |
| 9月2日(水) | ― |
| 10月28日(水) | あり |
| 12月9日(水) | ― |

MPRは1月・4月・7月・10月の判断と同時に出る。物価と成長の見通しが数字で更新される回なので、判断そのものに加えて、見通しの書き換えも材料になる。10月28日はその回にあたる。
日本時間は22時45分、12月だけ23時45分
カナダの東部時間は、米国と同じ日に夏時間を終える。2026年は11月1日(日)だ。夏時間の間は日本との時差が13時間で、9時45分は日本時間の22時45分になる。冬時間に入ると時差は14時間に広がり、23時45分になる。
| 発表 | 日付 | 東部時間 | 日本時間 |
|---|---|---|---|
| 企業見通し調査・消費者期待調査 | 10月19日(月) | 10:30 | 23:30 |
| 政策金利+金融政策報告 | 10月28日(水) | 9:45 | 22:45 |
| 政策金利 | 12月9日(水) | 9:45 | 23:45 |
10月19日(月)の東部時間10時30分には、企業見通し調査と消費者の期待調査も出る。企業が先の売上や価格をどう見ているかを集めた調査で、判断の9日前に出る材料だ。どれも日本の夜11時前後で、寝る前の時間に重なる。

9月2日の発表文に書かれた数字
9月2日の発表文から、数字を拾って並べた。
| 項目 | 発表文の記述 |
|---|---|
| 消費者物価(CPI) | ここ数か月、前年比3%前後。主因はガソリン価格 |
| ガソリンを除く物価 | 7月は2.2%。基調の指標は2%近く |
| 4〜6月期の成長率 | 3.3%(1〜3月期の大きな弱さの後。一部は一時的な要因) |
| 失業率 | 7月は6.4%に小幅低下。労働需要は弱いまま |
| カナダドル | 米ドル安を受けて小幅上昇 |

物価の3%前後のうち、ガソリンを除けば2.2%まで下がる。BoCは、エネルギー価格の上昇がほかの品目にはまだあまり広がっていないと書いた。一方で、中東の紛争が続いてエネルギー価格が高止まりし、ホルムズ海峡の再開がほとんど進んでいないことを、物価見通しを上振れさせるリスクに挙げている。
景気の側には、米国との通商協議が決裂し、米国の新たな関税とカナダの対抗措置が発表されたことが書かれている。BoCは状況が流動的で、回復へのリスクになると見ている。9月16日に公表された政策委員会の議論の要約には、エネルギー高がほかの品目に広がれば金融政策での対応が要りうる、という一文もある。上げる理由と下げる理由が、同じ発表文の中に並んでいる。
窓口で「カナダドルは資源の通貨ですよね」と聞かれた話
私が地方銀行の窓口にいた頃、カナダドルの外貨預金を考えている人から「資源の国の通貨だから、原油が上がれば上がるんですよね」と聞かれたことがある。そういう傾向が語られることは多い。ただ、私はそのたびに、金利と物価の発表日を一緒に見てほしいと伝えていた。
9月の発表文を読むと、原油の高さは物価を押し上げる材料として書かれている一方、米国の関税は景気を冷やす材料として書かれている。同じ月に、通貨を押し上げる話と押し下げる話が両方出てくる。1つの理由で値動きを決めつけると、反対側の材料が出た日に慌てることになる。
10月の1週間は、3つの発表が続く
10月の最終週は、円とカナダドルの両方に関わる発表が続く。カナダは28日に判断とMPR、日本は日銀の金融政策決定会合が10月29日と30日にあり、2日目に結果が出る。11月1日には米国とカナダが冬時間に移る。
| 日付 | 中身 | 日本時間 |
|---|---|---|
| 10月19日(月) | BoC 企業見通し調査 | 23:30 |
| 10月28日(水) | BoC 政策金利+MPR | 22:45 |
| 10月30日(金) | 日銀 金融政策決定会合の結果 | 会合終了後 |
| 11月1日(日) | 米国・カナダが冬時間へ | ― |
| 12月9日(水) | BoC 政策金利 | 23:45 |
カナダドル円は、2つの国の金利の差で語られることが多い通貨ペアだ。その差を決める2つの発表が、同じ週の水曜と金曜に来る。片方だけ見て判断すると、2日後にもう片方が出て前提が変わることがある。
航の推し:日付と時刻を先に手帳へ写す
私の結論はこうだ。カナダドルを扱うなら、10月28日22時45分と12月9日23時45分を、先に日本時間で書き出しておく。政策金利は2.25%で円より1ポイント高いが、BoCは上げる理由と下げる理由の両方を同じ発表文に書いている。どちらに動くかは予想しない。
指標の発表前後は値動きが大きくなりやすく、レバレッジをかけたFXでは預けた証拠金を上回る損失が出ることがある。取引単位は小さく始め、損切りの位置を先に決めておく。金利差とスワップポイントの関係はスワップポイントの基本で、低金利になったフランの例はスイスの政策金利の記事で確認してほしい。
数字は2026年10月12日にBoCと日銀の公式発表で確認したものだ。10月28日には見通しと一緒に書き換わりうる。
よくある質問
2.25%だ。カナダ銀行は2026年9月2日、翌日物金利の誘導目標を2.25%で据え置いた。銀行レートは2.5%、預金金利は2.20%となっている。
2026年10月28日(水)の東部時間9時45分で、日本時間では22時45分だ。この回は金融政策報告も同時に公表される。その次は12月9日(水)で、冬時間のため日本時間23時45分になる。
カナダドルだ。カナダは2.25%、日本は2026年9月18日の引き上げで1.25%程度なので、差は1ポイントある。業者が決めるスワップポイントは、金利差そのものではない。
9月の発表文では、消費者物価はここ数か月3%前後で、主因はガソリン価格とされている。ガソリンを除いた7月の物価は2.2%だった。
参照した一次情報
- Bank of Canada「Bank of Canada maintains the policy rate at 2¼%」(2026年9月2日)(政策金利・物価・成長率・失業率・カナダドル/2026年10月12日確認)
- Bank of Canada「2026年の政策金利発表日と主要公表物の予定」(判断日8回・MPR・企業見通し調査)
- Bank of Canada「Summary of Governing Council deliberations(2026年9月2日分)」
- Bank of Canada「Policy interest rate」(政策金利の推移)
- 日本銀行「当面の金融政策運営について」2026年9月18日(PDF)(政策金利1.25%程度への引き上げ)
※英文の日本語訳と要約は筆者による。挿絵:いらすとや


