最初に答えを置く。取引所FXと店頭FXの違いは、会社の大きさでも安心感でもなく、値段のつき方そのものだ。ここを取り違えると、比較の軸がずれる。
くりっく365は東京金融取引所に上場している。取引所を通すというのは、値段が決まる場所が各社の内側ではなく外側にある、という意味である。
結論:取引所FXは「値段のつき方」が違う
2026年9月5日に確認したフジトミ証券のくりっく365ページは、この商品を「日本での初めて公的な取引所による外国為替証拠金取引」と説明している。上場先は東京金融取引所だ。
店頭FXの場合、提示するレートを作るのは各社である。松井証券が必要証拠金の計算式を「当社生成レート×数量×証拠金率」と書いているのが分かりやすい。レートを生成しているのは、その会社だ。
| 比べる項目 | 取引所FX(くりっく365) | 店頭FX |
|---|---|---|
| 値段を出す場所 | 東京金融取引所に上場 | 各社が自社で提示 |
| 価格形成の方式 | マーケットメイク方式 | 各社の生成レート |
| 売買手数料 | 取引コース所定の手数料が定められている | 取引手数料0円と案内する会社が多い |
どちらが優れているという話ではない。コストの出方が違うので、同じ土俵で数字を並べても比較にならないという話だ。
マーケットメイク方式とは何をしている?
フジトミ証券は「くりっく株365・くりっく365ではマーケットメイク方式を採用」と明記している。マーケットメイクとは、値段を出す役割の参加者が売値と買値を継続的に提示し続ける仕組みだ。
この方式の特徴は、値段の出どころが1社に閉じないところにある。取引所という共通の場に複数の提示が集まり、そこから約定する価格が決まる。
フジトミ証券は自動売買の解説ページで、選択型の具体例として自社サービスを挙げたうえで「取引所FXなので価格やスワップポイントの透明性が高いのも特徴です」と書いている。透明性という言葉が指しているのは、この構造のことである。
窓口で「取引所」と聞いて安心した人の話
私は以前、地方銀行の窓口で為替の相談を受けていた。当時よく起きたのは、商品名の中に公的な言葉が入っているだけで、その場の緊張がゆるむ現象だった。
「取引所」「上場」「公的」。この3語が並ぶと、多くの人は書類をめくる手を早める。値動きのリスクの話をこれから始めるところなのに、である。
取引所を通すことで変わるのは価格形成の透明性であって、為替が動かなくなるわけではない。フジトミ証券自身が、くりっく365のページに「元本及び収益が保証された取引ではありません」と書いている。安心の対象を取り違えないでほしい。
手数料はどこに乗る?1枚あたりの上限を見る
取引所FXでは、売買手数料が明示的な項目として存在する。2026年9月5日時点の記載を見る。フジトミ証券のくりっく365ページは、通常銘柄で1枚あたり最大1,100円(税込)、ラージ銘柄で1枚あたり最大11,000円(税込)と案内している。
ここで混乱しやすい表示がひとつある。シストレセレクト365の手数料ページは「シストレセレクト365は、売買手数料 0円、サービス利用料金(初回のみ税込990円)でご利用いただけます」と書き、そのうえで「取引コース所定の手数料については、『取引コース所定の手数料』をご参照ください」と案内している。
0円という表示と、1枚あたり最大1,100円(税込)という記載は、どちらもフジトミ証券の公式ページにある。指している対象が違うためだ。自分に適用される取引コースがどれで、そのコースの手数料がいくらかを、申込前に同社へ確認する。これは推測で埋めていい項目ではない。
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シストレセレクト365は口座ではなく助言サービス
もうひとつ、構造として押さえておきたい点がある。シストレセレクト365は、FX口座そのものではない。
フジトミ証券は「シストレセレクト365は、東京金融取引所に上場するくりっく365を対象とした投資助言サービスです」と重要事項に書いている。そして「付随機能『自動売買管理サービス』とお客様が当社に開設されるくりっく365口座を利用して自動売買をおこなわせることが可能です」と続く。
整理すると、層は3つに分かれる。
- 器=東京金融取引所に上場するくりっく365。
- 口座=フジトミ証券に開設するくりっく365口座。
- 助言と発注=シストレセレクト365と、その付随機能である自動売買管理サービス。
提供元はフジトミ証券株式会社。金融商品取引業者としての登録は関東財務局長(金商)第1614号である。自動売買の対象は米ドル/円、ユーロ/円、英ポンド/円、豪ドル/円の4通貨ペアで、同社は「流動性が多い4通貨ペアを取り扱っています」と説明している。
取引所を通しても消えないもの
価格形成が透明でも、値動きのリスクはそのまま残る。フジトミ証券は、相場急変動等により建玉を維持するため追加証拠金の預託が必要となる場合や、預託された証拠金を上回る損失が生じる恐れがある取引だと明記している。
レバレッジについても「レバレッジ25倍上限付き」と書かれている。25倍まで使えるということは、資金の25倍の値動きを受け取るということでもある。
元本及び収益が保証された取引ではありません
フジトミ証券「くりっく365」
取引所という言葉が保証しているのは、値段のつき方の透明性であって、損益ではない。ここは何度でも書いておきたい。
航の推し:値段の出どころを先に確かめる
私の推しは、口座を比べる前にその商品の値段が誰の手で出ているのかを確かめることである。取引所に上場しているのか、会社が生成しているのか。この一点で、コストの読み方が変わる。
取引所FXが向くのは、価格の出どころと手数料の内訳を自分で確認したい人だ。逆に、手数料の項目そのものを見たくない人には向かない。取引コースごとの手数料を調べる手間が、最初に発生するからである。
同じ会社の中でも、サービスページごとに書いてある数字は違う。0円と1,100円が並んでいたら、それは矛盾ではなく対象の違いだと考えて、両方読む。数字を1つだけ持ち帰らないことが、この商品では特に効く。
よくある質問
値段のつき方が違う。くりっく365は東京金融取引所に上場した取引所取引で、フジトミ証券は「日本での初めて公的な取引所による外国為替証拠金取引」と説明している。価格は複数のマーケットメイカーが提示する方式で、同社は「くりっく株365・くりっく365ではマーケットメイク方式を採用」と明記する。店頭FXは各社が自社で価格を提示する相対取引だ。
無料とは限らない。フジトミ証券のくりっく365ページは、売買手数料を通常銘柄で1枚あたり最大1,100円(税込)、ラージ銘柄で1枚あたり最大11,000円(税込)と案内している。一方でシストレセレクト365の手数料ページは「売買手数料 0円」と表示し、取引コース所定の手数料は別に参照するよう書かれている。自分の取引コースがどれかを申込前に確認しておきたい。
口座そのものではない。フジトミ証券は「東京金融取引所に上場するくりっく365を対象とした投資助言サービス」と位置づけており、付随機能の自動売買管理サービスと、同社に開設するくりっく365口座を組み合わせて自動売買が動く構造だ。助言サービスと取引口座は別の層にある。
かかる。フジトミ証券のくりっく365ページには「レバレッジ25倍上限付き」と記載がある。同ページは「元本及び収益が保証された取引ではありません」とも明記しており、公的な取引所を通す取引でも損失が生じる前提は変わらない。
サービスによる。シストレセレクト365が自動売買の対象としているのは米ドル/円、ユーロ/円、英ポンド/円、豪ドル/円の4通貨ペアで、同社は「流動性が多い4通貨ペアを取り扱っています」と説明している。数の多さより、扱う対象を絞った設計と読むほうが実態に近い。
値段の出どころと手数料を公式で確かめる
取引コース所定の手数料、対象通貨ペア、サービス利用料金は、いずれも公式ページに書かれている。この記事で構造をつかんだら、自分に適用される条件は必ず公式の最新情報で確認してほしい。取引にはリスクが伴う。無理のない資金の範囲で判断を。
くりっく365の公式ページを見る ※当サイトは提携先の紹介に関し成果報酬を受け取る場合があります。FXは元本超過損のリスクがある取引です。

